日本メンズヘルス医学会は、2001年設立の日本Aging Male研究会を発展させて、2006年に結成されました。男性の健康医学を研究する研究者、医療関係者により構成され、男性に特有の疾患の予防、男性に頻度が高いか、臨床アウトカムが女性より不良な疾患の啓発、健康リスクを高める男性の生活様式の行動変容を研究の対象としています。
日本Aging Male研究会から数えて20数年。この間に、男性の健康バイマーカーであるテストステロン、あるいは男性更年期という医学用語が医学領域のみならずメディアでも多く見かけ、社会に知れ渡るようになりました。男性医学の重要性と理解が深まってきたと思います。
今後は、より社会に開いた形にし、また専門領域の研究者のみならず、さまざまの角度から男性が健康長寿になるための医学を多くのみなさんと考えていきたいと思っています。
日本メンズヘルス医学会に、多くの皆様のご入会をお願いします。
理事長 堀江 重郎
男性は女性よりも平均寿命が短いですが、その医学生物学的理由は明らかではありません。わが国は世界の最長寿国ではありますが、男女の平均寿命差は6年であり、残念ながら世界の中位国にとどまっています。 そして男性の健康指標は女性よりも悪いこと、すなわち健康指標の性差が最近注目されています。
過去30年、わが国では全ての世代で女性の肥満者は減少しているのに対して、男性は全ての世代で肥満者が増加をしています。糖尿病や慢性腎臓病でも男性の予後は女性より悪いことが知られています。